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BCJが成人式☆

今日は、バッハ・コレギウム・ジャパンの20周年記念公演を聴きに行きました。

結成から今年で20周年だそうで
「成人式」ですね。

BCJは教会カンタータの全曲演奏&録音をライフワークとしていますが
今日、演奏されたのは世俗カンタータ、つまり
王妃様や大学の先生のために書かれたお祝いの曲。
いつもよりも一段と晴れやかでお祝いムードいっぱいの演奏会となりました。

特に、前半に演奏された
《とどろけ太鼓、高鳴れラッパ》 BWV214 に出てくる曲たちは
のちに「クリスマス・オラトリオ」の合唱曲やアリアに用いられており
つい先日「クリオラ」でよい思いをさせてもらったところだったので
今日の演奏会の第1曲目で「クリオラ」と同じように華やかに始まった瞬間
とってもうれしくなってしまいました。

お客様は満員、
舞台の上はこの上なく充実していて
ソリストたちはのびのびと
合唱は表情も生き生きと
アンサンブルはチームワーク良く、かつお一人お一人が音楽的で

幸せな空間だなぁ・・・ と
ニコニコ(ニヤニヤ?)して聴き入ってしまいました。

演奏会のあとには、20周年記念パーティがあったのですが
今日のソリストの皆様が、鈴木優人くんのチェンバロ伴奏で
「余興」というには豪華すぎる演奏をご披露してくださいました!
アルトのソリスト・ロビンのパーセル「Music for a While」にはキュンキュンきちゃいましたぁ☆
ロビンと、ソプラノのジョアン・ランさんの「ポッペアの戴冠」からのデュエットも良かったなぁ・・・

そこで思ったのは
歌いたい、伝えたい、表現したい という思いに素直な
ナチュラルでリラックスしてて、そしてパッションがある
そういう演奏がいいよなぁ。ということ。

私も、もっともっと、気持ちよく歌えるようになりたいな。
気持ちいい、と思っている姿も、聴く人の心に働きかけると思うから。


今日いただいたプログラムに
BCJ20年の歩みが年表になって載っていましたが、
それによると、私は2001年のイタリア・ツアーの際に、初めて参加させていただいたようです。
もう、9年も前の話なのか・・・

古楽を専門的に勉強したこともなく
様式感も歌い方も何もわからず、
ただ、合唱するのはだーいすき!という状態で
人生初のBCJでのお仕事が
人生初の「ロ短調ミサ曲」、そしていきなり海外。

それはそれは緊張したのを覚えています。
疲れ果てて、イタリアからの帰りの飛行機で、悪夢にうなされたような・・・

しかし、BCJでの演奏は
緊張の度合いと同じだけの「幸せ」を実感できるものでもありました。
オケの音がきれいで・・・
ソリストの皆さん(歌も楽器も)のパフォーマンスが素晴らしくて・・・
合唱のハーモニーが気持ちよくて・・・
何より、雅明先生の下でみんなで生み出す音楽が生き生きとしていて!

・・・正直言って、最初は声を出すのが本当に怖かった・・・
自分の声が、自分のピッチが、自分の音楽性が
この美しいアンサンブルを壊してしまわないかと・・・
そういう恐怖感を乗り越えて、試行錯誤を続けて・・・
・・・いま、自分も
パズルのピースのひとつとして、またはオルガンのパイプの1本として
音楽の一部として機能している!と思えたとき
本当にうれしかった。

いまだに、私にとってBCJでの演奏とは

おなかが痛くなりそうなほど緊張して
舞台上であるにもかかわらずホロリとしてしまうほど幸せ

です。

・・・もちろん、演奏するときはいつでもどこでも全力投球!なのですが
他とはちょっと違うのですよ。

BCJでの演奏に参加させていただくなかで学んだものも
多かったと思います。
アンサンブルの一員として、またソリストとして
自分の演奏活動にも還元できつつあると思います。


今まで、私がBCJの演奏に参加するときには
「マタイ受難曲」や「ロ短調ミサ曲」、ヘンデルの「メサイア」など
合唱の規模が比較的大きい曲の演奏のときがほとんどでした。

来年は、初めて定期公演に参加させていただくことになっています♪
神戸で録音と演奏会→東京で演奏会。
ますますおなかは痛くなりそうですが(笑)
さらに幸せな瞬間を味わえるように、精一杯の演奏で参加したいと思います!

また、日程が近いところでは、年末の「メサイア」に参加させていただきます。
今年は、野球選手並みの「週末3連戦」となりました。
東京、軽井沢、大阪での公演です。
ハードでタイトなスケジュールが予想されますが
コンディションの維持に気をつけつつ、楽しんで歌いたいと思います。


関係者の皆様、BCJを支えてくださっている皆様
20周年、本当におめでとうございます。
これからも、BCJで生まれる音楽の一部となれる幸せを味わいつつ
その幸せに相応しい演奏ができるよう、努力していきますので
どうぞよろしくお願いいたします♪

by takahashi_chiharu | 2010-11-23 22:25 | 行った聴いた見た読んだ | Comments(0)