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藤村実穂子リーダーアーベント@紀尾井ホール

リヒャルト・シュトラウスとグスタフ・マーラーの歌曲を歌ってくださいました。
以下、感想をメモ。

前半のシュトラウス、
なんと真摯な、等身大な、清潔な演奏なんだろう。
そうだ、人前でリートを歌う、ってこういうことだったんだ。
シュトラウスの作品だからこそ、
余計な色気をつけたり大仰な歌いぶりで誤魔化さないで、
シンプルに身体の芯から、楽譜に忠実に歌うほど、
シュトラウスの書いた音楽の鮮やかさが生きるというか…
自分はどうだったか。曲の雰囲気に流されて歌ってたんじゃないか。
そして、軽くも重くもなく、まさに「メゾ」な、
藤村さんのお声そのものを磨いて磨いて出てきているのであろう、
輝くお声。
私は勝手に勇気をいただいている。
自分のそのままの声を磨いて磨いていけばいいんだきっと、と
藤村さんのお声を聞くたびに、おこがましくも、図々しくも
勝手にそう思わせていただいている。
「憧れ 作品32-2」 がかっこよかった!
「解放」に涙。

後半のマーラーは、生き生きと物語を語って下さって、
シュトラウスの一本気なお歌と好対照。
やっぱり藤村さんはオペラ畑の方なんだなーって思える表情の豊かさ。
とっても楽しかった!!

おっ、と思ったのはプログラム構成の妙。
シュトラウス歌曲の中でもっとも長く内容も重い「解放」は
前半プログラムの半ばで歌われて、
そこからだんだんと軽い曲、前半最後2曲は可愛らしい内容の「子守唄」で、
後半のマーラーで歌われる「子供の魔法の角笛」へとうまく橋渡しをしていく。
そして後半のマーラーでは
「ラインの伝説」「この世の生活」の次にいきなり「原光」をもってきて、
その後に「魚に説教するパドゥアの聖アントニウス」がきていた。
これだと交響曲2番の3楽章と4楽章が順番を逆にして演奏したような感じになる。
でもそのあとは「この歌を思いついたのは誰?」など、
楽しくてペーソスもあってちょっとくすっと笑ってしまうような曲が続いて、
最後は「高い知性への賞賛」、イーアー!って歌って、

あー!楽しかったー!!
もっと聴きたい、また聴きたい!って思わせてくださる
素晴らしい構成。

うーん、上手だなぁ。
自分も会場全体も集中が必要な曲は、頃良いところで早めに持ってきて、
後味が軽くなるようにする構成。
じっくりも聞いた、楽しくも聞いた、
要するに全部楽しめた、ってなるものね。
アンコールもマーラーの歌曲を3曲も歌って下さって、大満足でした。

素晴らしい演奏を聴くと、やっぱり自分も頑張ろう!という気になりますね。
特にシュトラウスが歌いたくなったなぁ。
今年はひとりで全部歌うようなコンサートは計画していないのですが…
とてもよい時間でした♪

by takahashi_chiharu | 2014-03-20 15:27 | 行った聴いた見た読んだ | Comments(0)