第6回みずほ合唱団演奏会@大和田さくらホール  

私がヴォイストレーナーとしてご指導申し上げている、
「みずほ合唱団」の演奏会が、日曜日にありました。

プログラムはこんな感じ。

ガブリエル・フォーレ:マドリガル 作品35(アルマン・シルヴェストル:詩)
寺嶋陸也:混声合唱とピアノのための「みち」(谷川俊太郎:詩)
大中恩:《こどものうた》による混声合唱曲集「サッちゃん」より
ガブリエル・フォーレ:レクイエム 作品48(1893年版)


かなりバラエティに富んだプログラム!

今回は、常任指揮者が変わって初めての演奏会ということで、
前回の演奏会からまるまる2年かけて、準備をしてきました。

土曜日に、軽く全体を通してリハーサル。
まずは、演奏会の全容をみんなで把握。

混声合唱のための「みち」では
短くて、ぴりっと引き締まった曲が12曲、連なっているのですが
いかんせん、曲数が多くて
練習ではどうしても、通して歌うと途中で中だるみしがちでした。
曲それぞれのイメージやキーワードなどを意識しておかないと
ひたすら歌うことに必死になってしまって
全体がのっぺりとした印象になってしまったら、もったいない。
リートのツィクルスを歌うときにも、気を付けていること。
「曲ごとのイメージを考えてきてください」
とお願いしました。

本番当日の私のお役目は、ヴォイストレーナーとして
合唱団の皆様のコンディションを整えるお手伝いをすること、
唯一「演奏しない音楽スタッフ」としてリハ中の音のバランスチェックをすること。

大和田さくらホールは、まだ新しく、すっきりと美しいホール。
私自身も初めて伺いましたし、
みずほ合唱団としても初めて使用しました。
このホール、天井が高く、残響が長い。
はじめは「みち」や「サッちゃん」を練習している中で
響きがありすぎて、言葉がクリアに立ちづらいかな・・・などと
すこし気になりましたが、それも
この本番に向けてずっと心がけてきた
「ふわふわ、もわもわしない声」を心がけていくことで
きっちりとメッセージをアピールする演奏になっていきました。
さらに、フォーレを歌う際には、
むしろその天井の高さ、そこからくる響きが教会を思わせて、
広い空間を漂う響きを纏って歌えて、とてもよい感触。
フォーレを歌うのにもってこい。

今回のフォーレ:レクイエムのオケは、
「一般的に知られているフルオーケストラによるシンフォニックな「第3版(1900年版)」ではなく、ヴァイオリンや木管楽器の入らない小編成の「第2版(1893年版)」で演奏する。これは、彼がはじめに意図し、彼が実際に演奏したオリジナル版と呼ばれているものである」
(プログラムより)
ということで、オーケストラというよりもアンサンブル、といった風情だったのだけど
編成が小さいことで、かえって
オケの方々お一人お一人の素晴らしさが際立っている・・・!とも思いました。
ヴァイオリンはおひとりだけで、代わりにヴィオラがオケの主軸となって、
管楽器はホルンが2本だけ、ハープが入って・・・という編成が
こんなにもこの曲の音の世界にしっくりくるとは・・・!

ホールは2階席、バルコニー席まで入って800名弱、
この大きすぎない空間に、まさにぴったりとはまった
合唱団とオーケストラ。

もうほんとに・・・ぴったり!!
と何度言ったことか。
ボリュームも、響きの残り方も、音色も、ホールの色合いも・・・
いろんな面からあまりにも「ぴったり」だったのです。


これは、きっとうまくいく。
どうなっちゃうかな・・・ドキドキ・・・ではなく
どんなふうに聞こえるかな・・・ワクワク☆ な気持ちで
本番は、ほぼ満席、ぎっしりのお客様で熱気あふれる客席の
1階席最後列の一番端っこで、ずっと聴いていました。


音もリズムも難しく、本当に本当にご苦労なさった
「みち」。
前日の練習での「イメージづくり」が良かったのかな、
「アピールせよ」との指揮者からの指示も生きて
いい演奏になったと思います。
退屈しなかった。いろんな道が現れては消えた。
もちろん、完璧な演奏・・・だったかどうかは???だと思いますが(笑)
言葉はぜんぶぜんぶちゃんと聞こえたし、
今できることはすべてできたと思います。

「サッちゃん」は、すっごいノリノリのリハを経て
おとうさん、おかあさんがこどもたちと歌う、
楽しい「おうたのじかん」となったと思います。
親子で一緒に歌をうたう。触れ合って、一緒に遊ぶ。
お子さんが小さいうちは、きっと大変なこともたくさんあると思いますが
なんと幸せな、あたたかい期間でしょう。
もし自分がおかあさんになれることがあったら、
私もこどもと一緒に、今日の曲たちを歌いたいなぁ~☆と
心から思いました。

そして、レクイエム。
当たり前ですが、日本語ほどには慣れていないラテン語。
さらに今回は、ラテン語の発音を「フランス式」に発音したこともあり
合唱団のみなさんが
「自分のこととして、自分の言葉としてレクイエムを歌う」
という感じに、なかなか届かず・・・
発声的にも、難しいところもままあり
じーっくり準備してきたつもりでも、難しいなぁ。。。
と感じていました。
が。
「Libera me」での合唱団のユニゾン。
皆様おひとりおひとりから発せられるエネルギーが
ひとつの束になって、ぐっと迫ってきて
感動しました。
今まさに、ご自分のこととして
「レクイエム」を歌っていらっしゃるんだろうな・・・と。

ソリストのお二人の素晴らしさは、いうに及ばず。
オケの皆様の温かく、深い音色に包まれて
ピアニストの大場さんが、いわば「オルガン用の手」に変えて弾いてくださった
オルガンも全体をしっかりと支え続け
(ピアノもオルガンも鍵盤楽器という意味では同じですが、
その奏法はまるでちがうんです。違う神経を使うというか。
一つの演奏会で両方うけもったともこさんは本当にえらい!!!)

最後の「in Paradisum」のソプラノさんもすてきにきまって
充実の演奏会は幕を閉じました。


この2年、
新しい体制で演奏会を目指していく中で
発声のこと、曲のこと・・・
正直、戸惑いを感じた方も少なくなかったかもしれません。
「これが正しいかどうかはわからないけど、でもこうするべきだと思う」
と言い続けた初谷先生のご指導は
時として、極端な表現で
「ええー?ほんとに?」と思われた方もいると思います。
私は、彼が目指したい音の方向性をくみ取って
ヴォイストレーナーとして、
指揮者の言葉を読み替え、咀嚼して
団員の皆様が受け取りやすい形、実践しやすい方法を
模索したつもりです。

さて、今までやってきたことが、どう出るか・・・と思った本番は
もう本当に、いろんなことがすべてかっちりとパズルのピースがはまって
狙った通りの、すべてがきちんと伝わる演奏となりました。

ううーん・・・・
やるなぁ。。。初谷先生。
この本番の響きを見越して、信念をもってこの2年引っ張ってきたということ。
・・・ほめすぎかな?笑。

そして、指導陣が求めた音を、
ご自分の音楽として表現しきってくださった
出演者の皆様、特に合唱団の皆様。

今回も、みずほ合唱団の底力を見せていただきました。

この2年みんなでやってきたことは、正解だったね。
きちんと、実りましたね。
よくぞここまで来てくださった。

でも、これは、スタートです。
ここから、またさらに変化、進化していくと思います。
次は、どんな楽しいことが待っているかしら。

これからも、進化し続ける皆様のお手伝いを
させていただけたら、うれしいです。


皆様、本当に、お疲れ様でした!!!


・・・次回も、前日の通し稽古をしましょう☆
そして次回も、さくらホールがいいと思いまーす☆

by takahashi_chiharu | 2012-11-12 23:41 | 演奏会記 | Comments(4)

Commented by 田中 由実 at 2012-11-15 08:44 x
ちはる先生、みずほ合唱団sopranoの田中です。このたびは演奏会を大成功(自画自賛)にお導きいただきましてありがとうございました。
ちはる先生のご指導やお言葉からは、いつも熱い思いがほとばしっていて、信じてついて行けば大丈夫と思い突き進んできました。これからも私たちをガッチリ後押ししてくださいね。
Commented by takahashi_chiharu at 2012-11-15 23:24
>田中さま
もったいないコメント、ありがとうございます!!
そもそもこんな長大な記事を読んでいただき・・・恐縮です。が
これは皆さんの輝かしい成功ですから☆
ぜひ記録に残しておこうと思いました。

これからも、いい音楽を目指していきましょう!!
次回の曲目が楽しみですね♪
Commented by 仮屋薗愛美 at 2012-11-17 12:18 x
初めまして。
演奏会、拝観しました。
プログラムを見たとき、これは最強の布陣だなぁ…と思いました☆
素敵な団員さん方と素敵なホール。そして聴きたかったフォーレをあのような編成で聴けてしあわせでした。

私も初谷先生の指導を受けているひとりですが、彼のめざしている声というものを信頼しています。
それはヴォクスマーナを聴くときにも感じることです。

素晴らしいお仕事。これからのますますのご活躍を♪

長々と失礼しました(;^_^a
Commented by takahashi_chiharu at 2012-11-17 22:42
>仮屋薗愛美さま
いらっしゃいませ!
うれしいお言葉、ありがとうございます。
ここをご覧の合唱団員さんも大勢いらっしゃいますので、
きっと皆様お喜びだと思います。

ヴォイストレーナーとして
団員さんのバックアップができるよう
これからも、耳を澄ましていきたいと思います。