マーラー「復活」@足利

足利交響楽団創立60周年記念演奏会
マーラー:交響曲第2番「復活」
終わりました。

はじめての「復活」。
大好きな曲。
大好きな方々とご縁ができた地での共演。

2楽章から入場。
何度もCDで聴いていた曲が、
目の前で繰り広げられて。

高まる鼓動。。。ばくばく。

4楽章はすごく緊張したけど、
本番は、今の私なりに頑張れたと思います。
久しぶりに、自分を肯定できたなぁ。
でもそれは私の力じゃなく、
応援してくれた人たち、
的確なアドバイスをくれた頼れる共演者のみんな、
好き勝手に歌わせてくださったマエストロとオケの皆様のおかげでした。

私はもともと、Urlichtはピアノ伴奏のリートとして勉強してて。
そこで表現したいことは、オケとのアンサンブルでも、大きな会場でも
変わらないはずで。
でも、やりたいことは同じでも、方法は同じじゃダメで。
どうしたらInnig(内的に)でありつつ、大きな表現ができるか。
自分の声のことも含め、試行錯誤でした。

本番で、4楽章を歌うとき
マエストロをあまり見すぎないようにして、
自分のペースでぐいぐい歌った私のうたを
マエストロとオケの皆様が聴いて、ペースも音量のバランスも、あわせてくださいました。
本当に本当にありがたかったです。

最後の
「ewig,selig Leben...」
と歌うところ、楽屋で歌ってて
「これさー本番もできればいいんだけど(たぶんできないんだよね)・・・」
って共演のソプラノさん・岩下晶子ちゃんに言ったら
「本番で、思い出して!」
って軽い感じで(笑)言ってくれて。

そうだよ、落ち着いてやるべきことをやればいいんだ、と
晶子ちゃんの言葉で、本番もちゃんと「思い出して」歌えました♪
ありがとう、晶子ちゃん。

私なりに、やれた!
と安堵の中、5楽章の、嵐の幕開け。

4楽章が終わってほっとしたのもあると思いますが
5楽章、聴いてる間に何度も涙がポロリでした。
いろいろ考えました…
マーラーはこの曲で、人を、世界を、なんと力強く肯定したんだろう。
ひとりひとりはちっぽけな存在で…
でもひとりひとりの人生にどれだけのドラマが詰まっているんだろう。
そして本番での足響さんの集中力!!!
リハまでとは、全然、音が違いました。
打ち上げでマエストロが「ゴールドなサウンド」と仰っていましたが
本当に、キラキラな花火がたくさん打ちあがってる感じでした。
それでいて、壮大で、ドラマがあって。

私が歌った歌詞

信じるのだ、こころよ
何も失われはしない、
おまえが憧れたもの、愛したもの、争ったもの
すべてお前のものなのだ・・・

これって、
昨年末に読んだ「夜と霧」とおんなじだなぁ、って。
その人が経験したこと、思ったこと、
心の中の風景などは
誰にも何も奪えない、ということ。
マーラーもフランクルも、
一筋縄ではない人生だったはずで
そのなかで、こんなにも力強いメッセージを
私たちに届けてくれて。


・・・そういうこと全部踏まえたあとの、5楽章の最後。
晶子ちゃんと、足唱のみなさんと、体いっぱい歌えて。

幸せでした。

今回の企画立ち上げの段階から頑張った、合唱指導の初谷敬史くんの奮闘が実って
合唱は、本当に素晴らしく、人間味あふれるサウンドだったし
マエストロ・田部井剛さんとも、学部のころ歌の伴奏をしてもらっていた頃以来の共演で
指揮者としての田部井さんにほぼ初めて接して、
田部井さんにとっても初めて振る「復活」だったそうですが
ものすごく素晴らしい!!渾身の指揮だ!!!と圧倒されたし、
エキストラとして入ってくれていた友人たちもみんな温かくサポートしてくれて、
学部のころからの、もう10年来の音楽仲間と、
こういう演奏会をさせてもらえるようになったか、と
これまでつづいてきた繋がりに、
本当に感謝です。

本番終わってすぐに楽屋に来てくれた
ウィーン時代の門下仲間・篠﨑加奈子ちゃん
私の顔を見るなりウルウルしてくれて。
私も、聴いてもらえたことが本当にうれしくて。
ありがとう・・・!

そしていつも私の歌を、目をキラキラさせて聴いて下さる
足唱ガールズの皆様にも、心からの感謝を。
私は、皆様に恥じない歌い手でありたいです。
しかも、今回の出演は、
私が皆様とヴォイトレの楽しい時間を持ったあの日があったから、
実現したことであり。

こういうこと、みんなみんな
本当に、ご縁だなと。


あのメンバーで、足利で、この時に、はじめての「復活」歌えたこと。
これはもう今回しかない。
一期一会。

あとから振り返っても、今日のこの「復活」は
私にとって忘れられない演奏会になると思います。


…そして今日も完璧ではなかった自分。
プロとしてどうかとも思うが、今日は合格点をあげよう。
「復活」歌えたらもう歌い手やめてもいいなーと思うほど
縁がないだろう、夢の彼方だろうと思っていたのに。

いいとこも悪いとこも引っくるめて、
こういう日があるから、うたは辞められない。


本当に幸せでした。
ありがとうございました。
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by takahashi_chiharu | 2012-10-28 23:52 | 演奏会記 | Comments(4)

Commented by desire_san at 2012-10-29 16:53
こんにちは、お久しぶりです。
足利交響楽団創立60周年記念演奏会のことは知りませんでした。マーラーの交響曲第2番「復活」を歌われたのですね。好きな曲なので聴きに行きたかったです。
私は高橋様が参加された「マタイ受難曲」を聴いたのがきっかけとなり、バッハに興味を持ち東京バロック・スコラーズの演奏会を聴くようになりました。またソロを歌われる演奏会がありましたら聴きに行きたいと思っています。

ところで私は「リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝」が開催されルーベンスの傑作が出品されていますので、ルーベンスの絵画の魅力について書いてみました。ご興味がありましたらご感想、ご意見などブログにコメントなどをいただけると大変うれしいです。
Commented by takahashi_chiharu at 2012-10-29 18:22
>desire_san様
いつもご訪問ありがとうございます。
演奏会情報はいつも右側(または左側)にご案内しておりますので、ご覧いただき、またお出かけいただければうれしいです。
Commented by 足響violin飯塚 at 2012-10-29 19:45 x
昨日はありがとうございました。弾きながら何度も泣きそうになりました。
この曲は、身近に足唱さんという信頼できる合唱団があるからこそ、現実的にやろうと思えたと思います。そして、曲が決まった時にソリストは誰がいいだろう、という話になるわけですが、私は、きっとヴォクスマーナの素敵な歌手の方が来てくれるに違いない、と図々しく思っていました。
私にとってはおそらく一生に一度しかできないであろう大曲を、ちはるさんと一緒にできたことが、何だか夢みたいなラッキーだったな、と思います。こんなスゴい人と一緒に演奏したのか?と今でも思います。
昨日までの経験で得たたくさんのものに、感謝しています。ありがとうございました。
Commented by takahashi_chiharu at 2012-10-29 22:51
>足響violin飯塚さま
こちらこそ、昨日は本当にありがとうございました!!
足唱さんと足響さん。
合唱とオケと、それぞれが充実した活動を長く続けている団体がある街は、
そうそうあるものではない、と思います。
足利の皆様にお会いするたびに、
足利の文化水準の高さを、いつも感じます。
私のほうこそ、こうして演奏に参加させていただいたこと、
本当にラッキーだったと思っています。
またぜひ、ご一緒できますように・・・!!!
ありがとうございました。