モツレク打ち上げにて

地元・熊谷でのモツレクソリスト終了しました。

モツレクを演奏する前に黙祷した会場は
ギュッと圧縮されたような、濃密な空気があり。
本番の舞台上で、私たちソリストはオケと合唱の間に座っていたのですが、
オケと合唱の、皆様の声や音の一つ一つが
指揮者の田代先生の元へ、四方から集中していくのが
まるで光が尾を引いて集まるように感じられて
本当に、ただただ見とれていました。

自分の演奏は…
欲をかくことからくる緊張と、それでも言葉を、その思いを声に載せたいという葛藤と。
…要は準備が足りない。
まだまだです。


打ち上げで、合唱に参加してくれた熊谷高校音楽部(いわゆる合唱部)が、アカペラで

・上を向いて歩こう
・斎太郎節
・熊谷高校校歌
を歌ってくれました。

高校生のころ、
「生まれ変われるなら絶対男になって合唱やりたい!!」
と、どれだけうらやましく思っていたことか。
私が所属していた熊谷女子高校音楽部が、
熊谷高校音楽部との合同定期演奏会を毎年開催していた関係から
私、熊谷高校校歌(作曲は山田耕筰!)、歌えますし(笑。しかも2番まで!)。
男子校って(というより話にきいていた熊高の様子が?)楽しそうだったし。

高校生の、純でひたむきな合唱にぐっときて…
特に、被災地復興を願って歌われた斎太郎節(松島の〜で始まる大漁節)に、
込み上げるものを抑えるのが苦しかったです。

男声合唱版の「斎太郎節」とは、こんな感じ。
Youtubeより 斎太郎節2009 全四国男声合唱 アンコール
おじさまたちめちゃくちゃうまい。やはり年の功か。
男声合唱団はたいていレパートリーとしていて、
「ああ斎太郎節ね」と合唱団の垣根を越えて歌える感じ。
震災以降、被災地へのエール(応援歌)として
男声合唱団の演奏会やそのアンコールで歌われることが増えているようです。
高校生の頃から「斎太郎節」を歌ってきた、熊高音楽部OBでもある、ステマネTちゃんいはく
「震災があってからは、この曲を歌う意義が変わりましたよね」とのこと。

ちなみに、もとの民謡「斎太郎節(大漁唄いこみともいうらしい)」の歌詞はこんな感じ。
松島、瑞巌寺、石巻、塩釜・・・ 

掛声 (エンヤトット エンヤトット)
松島の サーヨー 瑞巌寺ほどの
(ハ コリャコリャ)寺もないとエー
アレワエーエ エトソーリャ大漁だエー
前は海 サーヨー 後は山で
(ハ コリャコリャ)小松原とエー
アレハエーエ エトソーリャ大漁だエー

(以下唄い方囃子同じ)

石の巻 其の名も高い 日和山トエー
西東 松島 遠島 目の下に

富山は 高さも高い 名所山
見渡せば 八百八島 目の下に

塩釜様の 御門の前 八重桜
咲き乱れ 浮名たつみ 西の町

汐汲みが 織り来る波に 桶取られ
桶返せ 戻せや沖の 白波よ


大漁旗がはためき、みんなが元気に暮らせる海辺の町々を
一日も早く取り戻せますように。
ご苦労されている方々が、心穏やかに暮らせる町が
少しでも早く、多くなりますように。
これからも、できることをずっとやらせてもらおうと思います。


演奏に、鎮魂の祈りを込めるはずが
歌うそばから自分の反省ばかりで、
自分の小ささに情けなくなるけど、

あー私ああいうふうに心から歌うのが大好きだったんだよなぁ…
と、思い出させてもらいました。


また明日からがんばろう、と思いました。
「明日がある」って、決して当たり前のことではなく
ものすごく幸せなことなんだ、って
1年前の今日、教えてもらったのだから。


準備を進めていただきました音連の皆様、
ステマネTちゃんはじめ支えてくださった偉大な裏方の皆様、
共演いただきました皆様、
あいにくのお天気の中足を運んで下さったお客様
そして、関口先生、高野さんに
今回勉強させていただいたこと、こんな素晴らしい地元に育てていただいていることを
感謝いたします。
ありがとうございました。

そして、大災害の犠牲になられた方々に、
謹んでご冥福をお祈りいたします。
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Commented by にのグッチョ at 2012-03-13 01:41 x
合唱テノール@非熊高関係ですが、古澤親子先生方の伝手もありご一緒させていただきました。モツレクのアルトソロって、とりわけ地味ですが、清らかかつ力強さを保ちつつ、アンサンブル的に内声的なニュアンスを表現されていて、素晴らしいと思って聞いておりました。

たしかに演奏直前の1分間の黙祷が、さまざまな想いが一つにつながり、とても引き締まった演奏になったと思いました。
また本番の田代マエストロの指揮が本当に”熱棒”でしたから♪、
本当にオケ、ソリスト、合唱団そして、拝聴いただいた皆さんの想いや願いが凝縮された空間と時を共有することができたと思いました。

追伸:終演後の打ち上げには、次の予定で上京したため、参加できなかったのですが、このブログがきっかけで、「斎太郎節」のことや詳細を知ることができました。ありがとうございました。
Commented by takahashi_chiharu at 2012-03-13 09:26
>にのグッチョ様
コメントありがとうございました&モツレクお疲れ様でした!

田代先生の指揮、素晴らしかったですよね。引き付けて、力強いのにしなやかで。
バトンテクニック、というだけでなく、オケ、合唱の皆様があそこまでついていかれたのには先生のお人柄もあるように思いました。

また、うれしいお言葉をありがとうございます。
アンサンブル好きの私にはなによりのお言葉です。

どうぞこれからも歌っていってくださいね。またご一緒できますように!
Commented by desire_san at 2012-03-13 17:03
こんにちは。

音楽家の方のことは興味があり、時々訪問させていただいています。
音楽を通じての交流、素晴らしいですね。

昨今はいろいろなことでこころが傷ついたに、心を病んでいる方もいますが、そういう人に会うと、音楽や美術に生で触れることを提案します。音楽なら生きることを強く感じさせてくれるバッハか、なんでも受け止めてくれるマーラーを勧めます。美術ならやはりフェルメールでしょうか。
私のブログにもコメントいだきありがとうございました。
フェルメールの記事を書くのに夢中に名ていたのでお礼が遅くなってすみません。
フェルメールの芸術についてまとめてみましたので、ご興味がありましたら、読んでみて頂けると幸いです。
Commented by takahashi_chiharu at 2012-03-13 23:35
>desire_san様
いつもご訪問&コメントありがとうございます。

「バッハかマーラー」というご意見に私も賛成です。先日、NHKで「3.11のマーラー」という番組を放送していましたが、不安や悲しさをまさに「受け止めて」くれたマーラーの音楽には不思議な力があると改めて感じました。

フェルメールの作品は、光と闇が雄弁に作品の背景を物語り、優しい色合いが全体を包んでいて魅力的な作品が多いですよね。

またゆっくりとブログに伺いたいと思います。
by takahashi_chiharu | 2012-03-11 20:47 | 演奏会記 | Comments(4)