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船に乗れ!

藤谷治さんの「船に乗れ!」という小説を義両親からお借りして読んでいました。
高校の音楽科に通う高校生たちのお話。

私は、大学受験のための準備を始めたのが高校2年生の時だったので
ダメでもともと、もしダメだったら来年は予備校に行かせてもらって
普通の大学生になろう。くらいの気持ちもありました。
でも、どうせ受験するのなら、ぜひとも受かりたい!!!
・・・そうなると、間に合わないかも・・・!!という焦りも大いにありました。
周りの友達は、進学塾に行ってる子も多かったので
塾に行く感覚で、学校帰りに自転車で歌やピアノのレッスンに行っていました。
(それから現在に至るまで、親のスネがなくなる勢いでかじりまくりですが。。。)
学校では、クラスメイトのみんなが
昼休みに、世界史に出てくる人物の問題を出しあいっこしたり
英語の長文問題を解いたりしている時、
私は音楽室で歌の練習をしたり、教室で楽典の問題を解いたりしていました。
あの当時はあまり気づいていませんでしたが、
普通科の高校に通いながら決して普通ではない大学の受験勉強をしていた私は
それなりに「浮いて」いたのかもしれません。
でも、私だけでなく、それぞれ自分の目標に向かってまっしぐら!という子が
多かったような気がします。
そういう学校でよかった。

私が実際に「うわーみんな歌上手いなぁ!!」と初めてびびったのは
受験の2次試験の、控え室でした。
控え室にいる人がみんな、思い思いに声を出していて
みんな、いい声だ・・・と思いました。
1次試験のときもそういう方式だったと思いますが
準備時間が短すぎて(10分くらい?)あまりよく覚えていません。
奇跡的に無事に大学に入れてからは
周りの友達と自分を比べるならまだしも
自分で自分が許せないというか、焦るというか
へこむことも何度かありました。

音大に行って、それで・・・
そのあとどうなりたい、どうしたいということは
昔から、あまり考えていませんでした。
・・・今もそういうところがあるかもしれません(笑)
おばちゃんになっても、できればおばあちゃんになっても歌っていたい。
それくらいのものです。

あーこんな自分の過去を振り返っちゃってるあたりが
もうおばちゃんだなぁと思うのですが、
そういう感情、あったなぁ・・・
出来ることが増えるとうれしかったし、それなりに苦しかったりしたな・・・
ぐちゃぐちゃに絡まった毛糸みたいな感情とか、歌が好きで、それだけでよかったりとか
そういえば、いろいろ感じてたな・・・ と
胸が、ちょっぴりだけ苦しくなりました。
そして、今の私にとっても覚えておきたい文章が
たくさんありました。
お話の展開をどんどん追いたくて、一気に読んでしまいましたが
あとで、読み返してみたいと思います。

タイトルの「船に乗れ!」という言葉の意味は
全3巻読んでみるとわかるのですが

私も、船に乗って、いつまでも、どこまでも進んで行きたいです。
波はいつまでも止まず、私たちは絶えず波に揺られているんだ
ということを忘れずにいたいです。

音楽に携わる方にはもちろん、聴く専門という方にも
クラシックなんて・・・という方にも、おススメの本です。

by takahashi_chiharu | 2011-08-12 23:44 | 行った聴いた見た読んだ | Comments(0)