音楽の力。

昨日は志木第九の会の指導に伺いました。


志木第九の会では、9月の定期演奏会に向けて
ヴェルディのレクイエムを練習しています。
毎週土曜日の夜が練習日なのですが、
地震の次の日は奇跡的に練習を行うことができ、
その後2週にわたってお休みせざるを得ない状態で
昨日は2週間ぶりの練習とのことでした。
久しぶりに団員の皆さんのお顔を見ることができて私も嬉しかったし
団員さん同士も集まれたことにホッとしているご様子でした。

アメリカで「ロ短調ミサ曲」を
歌詞の、言葉の力をかみ締めながら歌ったのと同じように
レクイエムの歌詞を
今までとは違った思いで、もっと強く心に問いながら
歌っていけたらと思います。

9月の演奏会では、ヴェルディのオペラ「ナブッコ」の有名な合唱曲
「行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って」
も演奏します。


行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って
行け、斜面に、丘に憩いつつ
そこでは暖かく柔かい
故国の甘いそよ風が薫っている!

ヨルダンの河岸に挨拶を届けよ、
そして破壊されたシオンの塔にも…
おお、あんなにも美しい、失われた我が故郷!
おお、あんなにも懐かしい、つらい思い出よ!

運命を予言する預言者の金色の竪琴よ、
何故黙っている、柳の木に掛けられたままで。
胸の中の思い出に再び火を点けて
過ぎ去った時を語るのだ!

あるいはエルサレムの運命と同じ
辛く悲しい響きをもった悲劇の詩を語れ、
さもなくば、主によって惹き起こされた美しい響きをもって
苦痛に耐える勇気を我々に呼び覚ますのだ!



イタリアだけでなく
世界中で愛されるこの曲。
この歌詞に、このメロディに託す「想い」は
人それぞれ。
いつの時代にも、聴く人、演奏する人の様々な想いを
すべて受け止めて、なぐさめ、勇気付けてくれた
「包容力」にあふれた曲、だからこそ
長く、広く、愛されてきたのではないでしょうか。

こうして、集まって歌えることに感謝して。
そして、
私たちが音楽に携わることも
前へ向かうエネルギーへと変換されると、信じたい。


日曜日は「N響アワー」を良く見ています。
今日は、N響の皆さんがアメリカで演奏した様子や
今回の大災害を受けて、ウィーン・フィルやベルリン・フィルが
追悼演奏をしてくれたことを取り上げていました。

ウィーンでの、バレンボイムのピアノ・・・
モーツァルトのピアノ協奏曲23番を、
ピアノを弾きつつ指揮をする「弾き振り」で演奏していました。
放送されたのはほんの一部分でしたが・・・
「悼む」という感情を、やさしく撫でてくれるような、やわらかいピアノの音色に
本当に、切なくなりました。


海外の人たちが
遠くの国、文化も言葉も違う国である日本へ思いを馳せてくれていること。
日本で、音楽を受け取る私たち。

音楽を通して、伝えたいと願う想い。
音楽を聴いて、そこから感じること。
両者は、100%ぴったり一致することなんて、
めったに、ない。
でも、そこに違いがあるからこそ、求め合い、認め合い、
そうして世界は広く、深く、つながっていくんじゃないかな。

それが本物ならば。
少なくとも、本物を目指していれば。
ひょっとしたら、自分が願っていた以上のものが
届けられているかもしれない。

それが、
不思議で、ステキな、音楽の力。


さて、私も
目指しますか。
道のりはまだまだ、始まったところだけど。
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by takahashi_chiharu | 2011-04-03 22:23 | 日々のこと | Comments(0)