あたらしい歌

Vox humana(ヴォクスマーナ)第23回定期演奏会、
終了しました。

今回も、アンコールピースを伊左治直(いさじ・すなお)さんに書き下ろしていただきました。
これで3回目。
前回、前々回でのアンコールピース
「謎の音楽(詩・三好達治)」「なんたるナンセンス!(作詩者不詳)」を
急遽、本プログラム、しかも最初のステージに乗せることになり、
今回はちょっとした「伊左治祭り」でしたねー。
(さらに!次回の定期は、
伊左治さんに以前書いて頂いた作品の再演+またまた新しいアンコールピースのご披露、
の予定。
ということで、さらに「伊左治祭り」は続くのです。こうご期待!)


今回のアンコールピース「あたらしい歌」の歌詩を。
スペインの詩人F・ガルシア・ロルカによる詩を、伊左治さんが自ら訳してくれました。


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あたらしい歌

黄昏が言う――私は影がほしい。
月が言う――私には煌く星を下さい。
澄んだ泉はくちびるを求め、
そして、風は吐息を望む。

ぼくが、こころから願うものは、香りと笑いと、
あたらしい歌。
狂気や、百合の花や、
枯れ果てた愛とも無縁の世界の、あたらしい歌。

未来の、静寂(しじま)の淵を震えさせる、明日の歌。
ゆらめく水面(みなも)と、底深くの泥を希望で満たす歌。

思想に満ちて、
嘆きや不安にけがれていない、
欲にもけがれていない、
明るく、穏やかな歌。

叙情的な肉をもたず、
静寂を笑いで満たす歌。
(神秘へと放たれた、盲目の鳩の群れ)

もろもろのものの中心に、
もろもろの風の中心に、届く歌。
最後には、やすらう歌。
とこしえの魂の喜びのなかに。

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しみじみ、いい詩ですよね。
ここで書かれているような、「あたらしい歌」を
歌えるようになれたら・・・
本当にすばらしいことですね。

でも、「あたらしい歌」は、果てしない戦いの先にこそ、あるのです。


最後の最後は、自分自身との戦い。
すべては、本物の音楽を表現する、ただそのために。
余計なものからは抜け出すこと。
有効なものはまっさらな自分になって吸い取ること。

私には、はるか彼方の、同じところを見つめている仲間がいるから。

私がこの団体に参加して、およそ10年が経ちました。
今回の定期は、転換期だったなぁ、と思います。
たぶん、これから、いろんなことが少しずつ変わっていくのではないかと思います。

もうちょっとだけ、頑張ってみようかな。


次回も、どうぞお出かけくださいね!

by takahashi_chiharu | 2010-09-06 14:51 | 演奏会記 | Comments(4)

Commented by A子 at 2010-09-06 22:49 x
ひとりで初めて聞きに行ってからはや5年。
今ではたくさんのVox humanaファンと。
私にとっても、定期になっています。

次回の「伊佐治祭り」も楽しみです!
Commented by takahashi_chiharu at 2010-09-06 23:37
>A子さま♪
もうそんなに前から、聴いてくださっているのですねぇ。
ありがとうございます。
5年前と比べて・・・変化していますでしょうか!?
これからも、留まらず、変化しつづけるVox humanaを
どうぞお楽しみに☆
Commented by 若女将 at 2010-09-08 00:59 x
伊佐治祭り、いいですね~。
私は「謎の音楽」が本当に好きみたいで。
最初、いきなりじんわり来ました。

A子に連れられてvoxデビューして、もう何回になるんだろう?
この、刺激的で癒し系で奇想天外で優しい(表現のしようがない!)音楽会に出会えたこと、本当に幸せに思っております。

これからもずーっと通いますよぉ。100回記念のときは何をお祝いに持っていこうかなー。

Commented by takahashi_chiharu at 2010-09-08 11:45
>若女将♪
今回、新作初演に参加しなかったものですから
私にとっては「伊左治祭り」だったんですけどね。
新作を歌った人に言わせれば
「あねさんろっく祭り」「いおいおいお・・・祭り」
などになるのかもしれません。

癒し系?優しい??
そーなんだー・・・ 全く思いもしませんでしたが
なんかうれしいな。ありがとうございます。

これからも、どうぞご贔屓に☆