バッハ・コレギウム・ジャパン「マタイ受難曲」@東京オペラシティ

バッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)でのマタイ受難曲1日目。

日付が変わりましたが、
聖金曜日でした。
キリストの受難をおぼえる日。

そしてこの日にもっともふさわしいのが、「受難曲」です。
福音史家というストーリーテラーが
キリストの受難の物語を語っていきます。
イエス役、またイエスを売ったユダ役など登場人物も何人かいます。
合唱は、イエスを取り巻く群衆だったり、
イエスの物語に接する人のこころの内を語る代弁者だったりします。
そしてソリストは、美しいアリアを歌うことで
さまざまな「私とイエス」の関係をクローズアップしてくれている、
と私は思っています。

私はクリスチャンではないけれど
それでも、バッハの美しい音楽の世界に身をゆだねると
自分には、素直な、優しい、まっすぐなこころがあったか?
意地悪だったりしなかったか、勇気はあったか?
自身のうちに、問いかけている私がいるのです。


そんな濃密な世界に、今日もどっぷり漬かって、歌いました。
実は今回、数年ぶりに第2グループのアルトパートを歌っていて
気をしっかり持たないと古巣の第1グループのアルトパートを歌いそうだったので
意外と冷静でした。
(あ、でも正直に告白すると魔が差した瞬間がありました。。。ごめんちゃい)
しかしバスのアリア「来たれ、甘き十字架よ」では
ソリストのドミニク・ヴェルナーの表情溢れる巧みな歌いぶりに
泣かされてしまいました。。。
この曲はヴィオラ・ダ・ガンバという楽器が大活躍する曲でもあります。
ガンバという楽器の音色も、本当に切なくて・・・
涙を誘うんですよね。

それから、今回は
練習のときから、いつもとは違った感覚がありました。
というのは、
今回は「マタイ」のお稽古に入る前日までVox humanaでの演奏に参加していたからか、
いつもよりも、他のパートの動きに耳を傾けることができたように思います。
普通は、合唱という形態で歌うときには、
自分と同じ音を歌う人、つまり同じパートの人が存在しますが
Vox humanaは基本的に一人1パート。
常に、「わたしvs全体」といいますか、
全体の中での自分の立ち位置、のようなものを計る必要があります。

私は、同じパートの人がいると、
ついついパートでのまとまり感を重視しすぎてしまっていたのですが
今日は、他のパートと自分たちの関係について、耳を開くことが出来たように感じました。
これはきっと、Vox humanaでの
「わたしvs全体の、よりよい関係をつくろう」という練習が役に立ったに違いない。

プロジェクト同士が連続していると、
切り替えが難しいし緊張のほぐれる期間がなく少々疲れるのですが
こういういいこともあるんだなー。


「マタイ」歌うの大好きなので、
ちょっと気合を入れて演奏会記を書いてみました。いやはや。
明日は、彩の国さいたま芸術劇場音楽ホールで公演があります。
明日のホールはオペラシティよりこじんまりとしているので
より親密に、よりビビッドに「マタイ」の物語を体感していただけるかもしれません。

明日も心をこめて(頭は冷静に!)うたいます♪
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by takahashi_chiharu | 2010-04-03 01:12 | 演奏会記 | Comments(0)